?B断面寸法の決定に当たっては、アルミニウム製造会社2社以上が共通する断面寸法と、重量当たり断面係数の大きいものを優先したことである。現状として、船底外板用で最も使用頻度の高いものを先ず標準化し、一般に入手しやすくするのが目的である。
関連JlS規格は下記のようであり、材質はA5083S−H112並びに同−Oの2種類(耐力は125N/mm2)である。
JISH4100アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材
JISH0321非鉄金属材料の検査通則
JISH0001アルミニウム及びアルミニウム合金の質別記号
標準化されたπセクションの断面形状を表3.15に、その断面性能を表3−16にそれぞれ示す。
(2)πセクションの寸法決定手順14)
前項で述べたπセクションを用いた場合の寸法決定手順を示す。
?@表3.17は「軽構造船暫定基準及び軽構造船基準(案)」に基づく5083合金平板についての板厚、ロンジスペース、設計水圧の関係である。両基準の船底外板の設計水圧P1は第一塑性関節を生じる荷重に対して安全率1.2をとることになっているので、降伏応力(耐力)σy=1,300?sf/cm2としての算出値である。規則によっては、ピッチから板厚が求まる場合は同表の板厚とピッチから設計水圧を読み取るものとする。ただし、両基準の板厚算出式は異なるので、各規定の設計水圧の値をそのまま用いて同表から板厚を求めても両基準における板厚とはならない。
?A上記から求めた設計水圧によって、表3.18からπセクションの板の部分の寸法を求める。本標準化案を使用する場合は、πセクションの断面性能を示した表3.16における設計水圧を用いる。
?B上記?Aを満足するもので、ロンジ、ビーム等の要求断面係数から表3.16の断面係数に合うものを選定す乱同表の断面係数が大きすぎる場合には、ロンジのスパンを大きくして要求断面係数に近づける。
(3)適用例14)
「軽構造船暫定基準」によるものとして、船の長さL=28m、満載排水量W=90t、チャイン幅Bc=5.4m、最強速力V=30ktの高速旅客船(航行区域を沿海とす乱係数C=5)の場合の適用例を以下に示す。
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